もう10年以上使用しているメーラー(MUA)。
Thunderbirdの前は、Wanderlust、Mew、MH-eといったEmacs上のメールソフトを使っていたが、諸事情により移行、今に至る。
アドオンも豊富だが、60系でWebExtensionが有効化されたため、旧来のアドオンがかなり使えなくなった模様。
最近は、あまりアドオンは使用しない方針で使っているため、私的にはそれほどダメージは無い。
どこがよいか
開発体制がしっかりしたオープンソースである。メーラーは欠かすことのできないソフトウェアなので、安定と長期的なしたメインテナンス体制が欠かせない。そのためには、一企業の方針により終了してしまう可能性のあるものは避けたい。
マルチプラットフォームである。Windows、Mac、Linuxなど動作する環境が多い(Emacs上にelispで実装されたものにはかなわないが…)。もちろん、それぞれの環境に優れたメーラーはあるが設定の移行などが楽な点は無視できない。
残念な点
フィルターログがローテートしてくれればよいのだが、そこまでは贅沢な要求というところ。
あとは、そもそもOutlook側が悪いのだが、TNEF形式をデコードできるようになってくれると助かる。
まあ、そんなことくらいしか思いつかないくらいに、満足度は高い。
設定
アーカイブ
アーカイブフォルダーを使うと、用件が完了した後にも保存しておきたいメールなどを簡単に整理することができる。いつも使っているフォルダーの中に残るメールの数を増やしたくない場合には有効な機能。
メッセージペインの上部にあるアーカイブボタンをクリックすると、そのメールはアーカイブフォルダーに移動される。
デフォルトでは、アーカイブフォルダーは、その下にさらに年ごとのフォルダーを作り、メールはその中に移動されるようになっている。
年ごとのフォルダー分けにはあまり意味を感じないため、アーカイブフォルダーを年ごとに分けないようにする。
「ツール」-「アカウント設定」-「設定したいアカウント」-「送信控えと特別なフォルダー」-「メッセージの保管」で、「アーカイブの保存先」にチェックがついていることを確認し、「次のアカウントの”アーカイブフォルダー”」が、設定したいアカウントになっていることを確認する。
さらに、「アーカイブオプション」で「単独のフォルダー」に設定する。
Google連絡先との同期
現在のThunderbird102はCardDAVに対応しており、これによりアドオン無しでGoogleの連絡先と同期する事ができる。
Google連絡帳を導入する手順は以下の通り。
- アドレス帳を開く
- [新しいアドレス帳]から[CardDAVアドレス帳を追加]を選ぶ。
- [新しいCardDAVアドレス帳]ダイアログボックスで、[ユーザー名]にGoogleアカウントを入力する。
すると[場所]に「gmail.com」が自動的に表示されるので[次へ]。 - おなじみのGoogleアカウントの認証画面が表示されるのでアカウントとパスワードを入力、2段階認証を設定しているので認証を行い権限を与える。
- [利用可能なアドレス帳]が「Address Book」でチェックが付いている事を確認して[次へ]。
これで、アドレス帳の中に「Address Book」というGoogle連絡先のアドレス帳ができる。名前はプロパティから変更可能。
双方向での同期が可能で、同期間隔も設定できる(デフォルトは30分)。
アドオン
デフォルトで付いてくるLightning アドオンは不要なので削除(クライアントを問わないGoogleカレンダーを使用)。
Header Tools Lite
Header Tools Lite :: Thunderbird向けアドオン
メールヘッダを編集するアドオン。
基本的なヘッダであれば各項目ごとに、そうでなければ ソースまるごとをテキストボックスで編集できる。
基本的には、届いたメールのヘッダは触らないのだが、例外が2つある。
ひとつは、SpamAssassinでSpamと誤判定されたメールから、SpamAssassinの判定ヘッダを削除する場合。これをしておかないと、Thunderbirdのフィルタによって再度Spamとして扱われてしまうことがある。
もうひとつは、不正なヘッダがありThunderbirdなどでの処理に支障があるとき。
ImportExportTools
Thunderbird 102では既に利用できないので、無効化中。
後継の、ImportExportTools NGが存在するようだが、現在の所必要ないので、導入はしていない。
フォルダーを対象に、メールをインポート、エクスポートする。
mbox、eml、テキスト、HTML など様々な形式に対応。
QuickText
定型文を本文に挿入するアドオン。
挿入する文は複数設定でき、メールのヘッダ情報やファイルの内容の挿入など、多彩な挿入設定が可能。
GitHubでオープンソースの開発が行われているので、Thunderbird自体のバージョンアップへの追従などの開発継続には期待できる。
ただ、実際には前書きと後書きの挿入に使っているだけ。
本当のところ、メールのBODYに宛先と自分の名前を書くというビジネスメールのマナーというのが、嫌いだ。
To、Fromを見ればわかることで、紙の手紙を出すときにそんなことはしないだろう。
あえて必要なのは、共用のメールアドレスを使っている相手の時に指名するときくらいだろう。
Remove Duplicate Messages (Alternate)
mozdev.org – removedupes: index
重複したメッセージを見つけるアドオン。
通常の使用では使うことはないが、メッセージをコピーしたり、バグなどで同じメールが複数表示されてしまう時にそれをピックアップして削除する。