マルチプラットフォームのパスワードマネージャー。
Windows、Linux、Mac OS、Android、iOSなどさまざまなプラットフォーム上で動作し、共通のデータファイルを使うことができる。
複数のマシンで使用するには、Dropboxなどのクラウドファイル共有を使い、共通のデータファイルを使うのが一番楽だろう。もちろんクラウド上に置くことはリスクを高めることにもなるが、データファイル自体もマスターパスワードで守られてはいるので、利便性とのバランスを考えると妥協することになる。
- ホームページ: KeePass Password Safe <https://keepass.info/>
- ダウンロードファイル: KeePass-2.43.exe (ポータブル版)
- インストール方法: ダウンロードしたファイルを展開して、任意の場所にコピー。
- winget ID: DominikReichl.KeePass
- 動作確認バージョン: 2.50 (Windows 10 Pro 20H2, Windows 11 Pro 21H2)
プログラムの配布はインストーラー版と、ポータブル版の両方で行われている。
データファイルは、Dropbox上に保存する。一度データファイルを開けばその場所は記憶されているので、次からも同じファイルを使うことができる。
Firefoxでの自動入力
Firefoxでは、 KeePassのプラグインKeePassRPCと、FirefoxのアドインKeeを利用することによってKeePassで設定したURLを開いた時にユーザー名、パスワードを自動入力することができる。
KeePassRPCのインストールは、以下の手順で行う。
https://github.com/kee-org/keepassrpc/releases/latest からファイルKeePassRPC.plgxをダウンロードする。
KeePassRPC.plgxをKeePassがインストールされたフォルダーの中のPluginsフォルダー(C:\Program Files (x86)\KeePass Password Safe 2\Pluginsなど)にコピーする。
KeePassを再起動する。
Keeアドインのインストールは、FirefoxでアドオンKeeを探して「Firefoxへ追加」する。
すると、「Keeを認証」というページが開かれるので、同時に現われたウィンドウに表示されるパスワードを入力する。
アップデート
KeePassは起動時にアップデートチェックを行うので、アップデートが存在すれば、起動時にダイアログが表示される。
それぞれ、「新しいバージョンがあります!(New version available!)」の部分をクリックすれば、ブラウザでダウンロードサイトが表示される。
KeePass本体のアップデートは、ポータブル版であれば立ち上がっているKeePassを終了して新しいファイルを上書きするだけ。
KeePassRPCのアップデートは、https://github.com/kee-org/keepassrpc/releases/latestからKeePassRPC.plgxをダウンロードして、KeePassのプラグインフォルダー(KeePassをインストールしたフォルダー中にあるPluginsフォルダー)に、上書きコピーする。
そしてKeePass自体を再起動、KeePassと通信してパスワードの受け渡しをするプログラム(Firefoxなど)も再起動する。
別エントリーの参照
別々のURLのページで同一のアカウント(ID、パスワード)を要求される場合がある。
しかしKeePass自体は複数のURLに対応しておらず、その場合別エントリーの参照という機能を使うとよい。
参照を設定するには、[エントリーの編集画面]で、参照するフィールドの入力を削除、左下の[ツール]をクリックする(あらかじめ削除しておかないと、既に設定された内容に追記されてしまう)。
[フィールド参照の挿入]から、挿入するフィールドを選ぶ。
すると「Insertフィールドの参照元」というダイアログボックスが表示されるので、基となるエントリーを「フィルタ」を使って絞り込んで選択し、そのエントリーを識別するフィールドを選択、さらに[参照元のフィールド]を選択する。
[OK]ボタンをクリックすると、参照を設定したフィールドに参照を意味する「{REF:U@Title}」などの文字列が入力さた状態になる。
なお、残念ながら、Firefox用のプラグインKeeは、この参照機能に対応しておらず、参照設定となる文字列「{REF:U@Title}」などがそのまま入力されてしまう。
Keeによる別エントリーの参照
FirefoxプラグインのKeeでは、前述の別エントリーの参照がうまく動作しない。
そのかわり、Keeでは一つのエントリーを複数のURLに対応させることができる。
[エントリーの編集画面]で[Kee]タブを選び、さらに[URLs]タブを選ぶ。
「Exact」をチェックして「Add」ボタンをクリックする。
[Add URL]ダイアログボックスの,
「URL/Pattern」に追加して対応させたいURLを入力し、「Match」にチェックされていることを確認し[OK]ボタンをクリックする。
変更履歴
2022-02-27 KeePassRPCとKeeのインストール方法を追記
2020-09-11 別エントリーの参照、Keeによる別エントリーの参照を追記