Windowsのアップデートで、「OneDriveによるバックアップ」を勧められることがある。
起動後、通常のWindows画面が表示される前に現れるこのような画面。
これだけ読むと、「クラウドに自動でバックアップしてくれるのか」と「OK」を押してしまいそうになるが、非常に重要な説明が欠落している。
ここでOKを押すと、実際に行われるのは以下。
- OneDriveが有効になり、OneDriveフォルダーの中がクラウドに同期されるようになる。
- 既存のデスクトップ、ドキュメント、ピクチャのなかにあるファイルがすべて、OneDriveフォルダーの中に移動される。
- Windowsと一部のアプリケーションのみ、既定の保存場所がOneDrive以下のフォルダーに変更される.
そのため、「ファイルが見つからない」、「(ドキュメント以下に設定や、既定フォルダーを持つ)アプリケーションが正常動作しない」という事態が、発生してしまう。
たとえクラウドファイルストレージとしてOneDriveを使っていたとしても、上記のような処理をされたくなければ、「OneDriveでファイルをバックアップする」の画面では「このPCにのみファイルを保存する」を選ぶこと。
[OK]を押してしまった場合の回復方法は以下。
- バックアップの停止
まずは、バックアップを停止する。
実際には、バックアップを停止では無く、単にデフォルトの保存先を元に戻すだけ。
タスクトレイの中のOneDriveを右クリックし[設定]を表示。
[バックアップ]タブの中の[バックアップを管理]をクリック。
[フォルダーのバックアップを管理]ダイアログボックスで、デスクトップ、ドキュメント、写真のすべてについて、「バックアップを停止」
- ファイルを元の場所に戻す。
OneDriveの中に移動されてしまったファイルを元の場所に戻す。
OneDriveはエクスプローラの一番上に「OneDrive – Personal」として表示されているので、この中に移動されてしまったファイルを、それぞれ元のフォルダーに戻していく。
デスクトップの中身は、C:\ユーザー{ユーザー名}\デスクトップに戻す(移動する)。
ドキュメントの中身は、C:\ユーザー{ユーザー名}\ドキュメントに戻す(移動する)。
ピクチャの中身も、C:\ユーザー{ユーザー名}\ピクチャに戻すのだが、特殊なフォルダーが2つあるのでそれは別途作業する。
1つめの特殊なフォルダーはスクリーンショット。スクリーンショットは丸ごと戻すのではなく、その中にある各ファイルをC:\ユーザー{ユーザー名}\ピクチャ\スクリーンショットの下に戻す。
2つめの特殊なフォルダーはカメラロール。このフォルダーはスマホなどにOneDriveアプリをインストールして、OneDriveに自動アップロードする場所なので、OneDriveの中に置いたままで良いことがほとんどのはず。
上記2つ以外については、C:\ユーザー{ユーザー名}\ピクチャに戻して(移動)しまう。
なお、上記のフォルダー名のうち下記はエクスプローラー上の表示で、本当のフォルダー名はアルファベットのものとなっている。
- ユーザー:Users
- デスクトップ:Desktop
- ドキュメント:Documents
- カメラロール: Camera Roll(ただしOneDriveの中のものは、「カメラロール」そのもの)
- スクリーンショット: Screenshots(ただしOneDriveの中のものは、「スクリーンショット」そのもの)
ファイルを戻したら、本来のフォルダーにあるそれぞれの「ファイルの場所」というショートカットを削除する。
これで、復旧完了。