Windows PCのパスワードを紛失してしまってログイン不能になってしまった場合でも、以下の手順でパスワードをリセットすることができる。
概要
Windowsのパスワードを忘れた場合でも、電源を入れればログオン画面までは進む。
そして、ログオン画面の左下に小さなボタンが表示されている。
これは「コンピュータの簡単操作」というメニューを表示させるボタンなのだが、この「コンピュータの簡単操作」の実態は「utilman.exe」というコマンドになっている。
そこで、このutilman.exeをcmd.exeに差し替えて、コマンドプロンプトを立ち上げてパスワードを操作するというのが、このパスワードリセット手順の概要。
utilman.exeをcmd.exeに入れ替える
utilman.exeをutilman.bakという名前に変更し、cmd.exeをutilman.exeという名前でコピーする。
今回は、Windows 8.1のインストールディスクを使うが、NTFSを操作できればLinuxのLive ディスクでもなんでもよい。
Windows 8.1のインストールディスクをドライブに入れ、PCを立ち上げる。この時、当然ながらBIOSなどで起動優先順位をCD/DVDドライブを内蔵ハードディスクより優先にしておくこと。
Windows セットアップの画面が立ち上がったら、キーボードのShiftキーとF10キーを同時に押す。
コマンドプロンプトが管理者モードで立ち上がる。
Windowsの場所を確認するため、Cドライブから順にディレクトリの中身を見ていく。
> dir c:
> dir d:
…
Windowsが存在したら、そのドライブに移動する。
> d:
Windowsが存在したら、そのドライブに移動する。
> cd \windows\system32
utilman.exeをutilman.bakという名前に変更する。
> ren Utilman.exe Utilman.bak
cmd.exeをutilman.exeという名前でコピーする。
> copy cmd.exe Utilman.exe
コマンドプロンプトを終了する。
> exit
インストールディスクを取り出し、「Windows セットアップ」ウィンドウの右上の「×」をクリックしてセットアップを終了する。
「Windowsのインストールを取り消しますか?」の画面で「はい」をクリックすると再起動が始まる。
パスワードを再設定する
再起動して、ログオン画面が表示されたら、右下のボタンをクリックする。
コマンドプロンプトが表示されたら、設定されているユーザーを確認する。
> net user
Administratorのパスワードを変更する。passwordの部分は新しいパスワードを入力する。Administrator以外でも、特定のユーザーのパスワードを変更したければAdministratorの部分をそのユーザーの名前にする。
> net user Administrator password
コマンドプロンプトを終了する。
> exit
これで、設定し直した新しいパスワードでログインできるようになる。
utilman.exeを元のものに戻す
ここで、そのままAdministratorでログインして、utilman.exeを元のものに戻してしまいたいところだが、utilman.exeには特殊な属性がついているため、入れ替え時同様にWindowsのインストールディスクなどでPCを立ち上げて、コマンドプロンプトから操作するのが楽。
入れ替え時同様の手順でコマンドプロンプトを立ち上げる。
Windowsがあるドライブに移動する。
> d:
\Windows\System32フォルダーに移動する。
> cd windows\system32
中身がcmd.exeのutilman.exeを削除する。
> del Utilman.exe
utilman.exeを元のものに戻す。
> ren Utilman.bak Utilman.exe
コマンドプロンプトを終了する。
> exit
インストールディスクを取り出し、「Windows セットアップ」ウィンドウの右上の「×」をクリックしてセットアップを終了する。
「Windowsのインストールを取り消しますか?」の画面で「はい」をクリックすると再起動が始まる。
以上で、パスワードの再設定手順はすべて完了。